文京区民のいのちとこころを守る条例(案)

目次

第一章 総則

(目的)

  1. 第一条 この条例は、文京区(以下「区」という。)における自殺対策に関し、基本理念を定め、区民、区等の各主体の責務を明らかにするとともに、自殺対策の基本となる事項を定めること等により、自殺対策を総合的に推進し、自殺の防止を図り、あわせて自殺者の親族等に対する支援の充実を図ることを目的とする。

(基本理念)

  1. 第二条 自殺対策は、自殺が個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく、その背景に様々な社会的要因があることを踏まえ、社会的な取組として、実施されなければならない。
  2. 自殺対策は、単に精神保健的な観点からのみならず、様々な社会的な要因が関与していることを踏まえ、自殺の実態に即して実施されなければならない。
  3. 自殺対策は、自殺の事前予防、自殺発生の危機への対応及び自殺が発生した後又は自殺未遂に終わった後の事後対応の各段階に応じた効果的な施策として実施されなければならない。
  4. 自殺対策は、「文の京」自治基本条例(平成十六年十二月文京区条例第三十二号)に規定する協働・協治の考え方に基づき、区の状況に応じたきめ細かな施策として実施されなければならない。
  5. 自殺対策は、区民、区、国、東京都、医療機関、事業者、学校、自殺の防止等に関する活動を行う民間の団体その他の関係する者の相互の密接な連携の下に実施されなければならない。

(区の責務)

  1. 第三条 区は、前条に規定する基本理念にのっとり、自殺対策について、国及び東京都を始めとして各主体と連携・協力の下、文京区の状況に応じた施策を総合的に策定し、実施する責務を有する。
  2. 区は、前項の責務を果たすため、基本的かつ総合的な自殺対策の計画を定めるものとする。
  3. 区は、毎年、文京区のおける自殺の概要及び区が講じた自殺対策の実施の状況に関し、議会に報告するものとする。
  4. 区は、この条例の目的を達成するため、必要な財政上の措置その他の措置を講じるものとする。

(事業者の責務)

  1. 第四条 事業者は、区と連携しながら、その雇用する労働者の心の健康の保持を図るために適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

(区民の責務)

  1. 第五条 区民は、自殺対策の重要性について、関心と理解を深めるよう努めるものとする。

(名誉及び生活の平穏への配慮)

  1. 第六条 自殺対策の実施に当たっては、自殺者及び自殺未遂者並びにそれらの者の親族等の名誉及び生活の平穏に十分に配慮し、いやしくもこれらを不当に侵害することのないようにしなければならない。

第二章 基本的施策

(調査研究の推進等)

  1. 第七条 区は、自殺の防止等に関して、調査研究を推進し、並びに情報の収集、整理、分析及び提供を行うものとする。

(区民の理解の増進)

  1. 第八条 区は、自殺の防止等に関する区民の理解を深めるよう必要な施策を、教育活動、広報活動等のあらゆる機会を通じて積極的に講ずるものとする。

(人材の養成等)

  1. 第九条 区は、自殺対策の役割を担う人材の養成、資質の向上等に必要な施策を講ずるものとする。

(心の健康づくりの相談体制)

  1. 第十条 区は、心の健康の保持及び増進のため、職場、学校、地域等における相談体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。

(社会的な取組の整備)

  1. 第十一条 区は、自殺の発生につながるような区民が抱える社会的な要因を含む様々な課題に対応できるよう、関係相談窓口の充実及び連携を図るものとする。

(自殺発生回避のための体制の整備)

  1. 第十二条 区は、自殺をする危険性が高い者を早期に発見し、自殺の発生を回避するための適切な対処を行う体制の整備及び充実に必要な施策を講ずるものとする。

(自殺未遂者に対する支援)

  1. 第十三条 区は、自殺未遂者が再び自殺を図ることのないよう、医療機関や警察等関係機関と連携をとり、自殺未遂者に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。

(自殺者の親族等に対する支援)

  1. 第十四条 区は、自殺者又は自殺未遂者の親族等が受ける深刻な心理的影響が緩和されるよう、当該親族等に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。

(民間団体の活動に対する支援)

  1. 第十五条  区は、民間の団体が行う自殺の防止等に関する活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。

(自殺対策関係機関連絡協議会の設置)

  1. 第十六条 区は、文京区の自殺対策を総合的に推進するために、関係行政機関、関係団体、区民等で構成する自殺対策関係機関連絡協議会を設置するものとする。

(委任)

  1. 第十七条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

付 則

この条例は、公布の日から施行する。

(説明)

文京区における自殺対策について、総合的に行うため本条例を提案する。